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第690回定期演奏会 Aシリーズ

指揮:ジェイムズ・デプリースト
ヴァイオリン:イザベル・ファウスト

シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調
会場:東京文化会館


シューマンのヴァイオリン協奏曲は、正直よく分からないのでパス。
演奏機会が少なく、そもそも封印されていた楽曲で初演が作曲後80年以上経過してからという曰く付きの楽曲。

ブルックナーの交響曲7番は、ブルックナーとしてはすこぶる全編にわたって明るめな印象、美しい旋律を最も長く堪能できる楽曲だと言える。
この曲は、番号付きとしては7曲目にして初めて、観衆からまともに評価された交響曲とも言われていて、今でも4番に次いで人気があり、演奏機会も比較的多い。

デプリーストは、2008年までの3年間、都響の常任指揮者を務めており、退任後1年ぶりの指揮台となる。

最初から最後まで、ともかくその弦パートの音色の美しさが特徴的だった。
調和の取れたバランスで、管楽器群も健闘していた。
特に秀逸だったのは、ワーグナーチューバ。
安定感のあるすばらしいハーモニーと響きを聴かせてくれた。
インバル/ブル5のときに感じたホルンパートの貧弱さも感じさせず(ホルン4+1、ワーグナーチューバ4の最強ラインナップ)、オーケストラ全体をしっかり支えていたと思う。

終楽章のフィナーレ、ブル7はなんというかふわっと不思議な感覚で幕を閉じるのだが、その"ふわっ"ぷりもすばらしかった。
これまで聴いてきた演奏では(CDも含めて)、肩すかしをくらったような、どこか違和感を感じるフィナーレだったが、デプリーストによるふあっは、とても心地の良いふわっで、始めからこの曲はそうあるべきであるような、そんなふあっという終わり方だった。
デプリーストの演奏を聴いて、この曲のフィナーレを好きになれた気がする。

第616回定期演奏会
指揮:イルジー・ビエロフラーヴェク
ブルックナー/交響曲第5番
サントリーホール

またまたブル5を聴いてきた。
今度は、日本フィルの定期演奏会。
約ひと月間に、3度も本曲の実演に接する機会があるなんて幸せだ。

いろんなオケで同曲を聴き比べていると、この曲がベンチマークになってオーケストラの特色がなんとなくだけど、分かるようになるから不思議。
という観点から日フィルについて、感じた点。
艶や艷がもう少しあるといいと感じた。
でもホルンは、都響よりもいいと思う。
音色は、ともかく吠えたときのパワー感がなんともいえずイイのだ。

客席は、空き席が目立った。
半分程度の入りか。
都響に詰めかけたあの沢山の観客は、都響もしくはインバルのファンだったのか。

演奏について。
非常にゆったりしたテンポで進む第一楽章。
第二楽章もゆったり聴かせるのかと思いきや、サクサクと進む感じ。
演奏と気持ちのシンクロ率が微妙に上がらないテンポのゆらぎが続き、金曜日の夕方ということもあり、いまひとつ集中力に欠いてしまった。
コンディションをもう少し整えられるとよかった、勿体無いことをした。
終楽章のコーダ、なんとか伽藍は構築して終演。
低弦が、もっと全体を支えられるともっと良かったのではないか、と総括して締めてみる。

都響/インバル/ブルックナー5

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第689回定期演奏会 Aシリーズ
東京都交響楽団
指揮:エリアフ・インバル
ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調
東京文化会館

国内オケとしては、最高レベルのブルックナー5番だったでしょう。
すばらしい演奏でした。
インバルは、初めて実演を聴きましたが、マーラーやラヴェルなどCDなら5,6枚は持っている、自分にとってはおなじみの指揮者です。
日本でのインバル人気は非常に高く、それを裏付けるように今日の公演のチケットは完売で客席はもちろん満席でした。
都響のこの秋のシリーズは、なんと4回の公演のうち3回がブルックナーという、しかもそのうちの2つがインバルによる今日の5番と2010年3月の8番という(自分にとっては)鉄板なプログラム!
これは、会員になって確実にチケット押さえるしかないでしょう、ということで初めてオケの定期会員になってみました。

インバルの解釈は、ゆったりとしたテンポで、ところどころ執拗なまでに丁寧にリズムを刻ませる箇所が印象的でした。
また、スタッカートはとことんスタッカートに奏でる、みたいなメリハリの強い表現を指示していたように思えます。
管楽器は、終始安定していました。
ある意味びっくり。都響すごーい。
特にトランペットの安定感は、特筆すべきものがあったのではないでしょうか。

5番最大の魅力は、もちろん終楽章のフィナーレに向けて盛り上がっていく部分にあると信じているわけですが、そのフィナーレに向かって、少し盛り上がっては落ち着いて、もう少し盛り上がってみてまた落ち着いて、を繰り返しつつ、音の大伽藍を構築していく様は、これはもう本当にスペクタクルです。
失速するなよ、音外すなよ、もう頭の中は心配事で一杯になりながら、がんばれーって応援しているのが、終楽章の最後のところなのです。
手に汗を握りながら、聴いているのですよ。
多分、サルティンバンコやコルテオを見に行って、パフォーマーの技にハラハラドキドキしているのと大して変わらない興奮とスリルを味わっているわけですね。
でもって、こういう楽しみ方ってアリだよなっていうか、こういうハラハラ感が味わえるからこそ、自分はブル5が好きなんだなって、そんなことに改めて今日気づきました。


チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮
ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 WAB.108(ハース版)
サントリーホール

ブロムシュテットを客演に、日本と中国をツアーしているチェコ・フィルのコンサートを聴いてきました。

第一印象、オケの配置が面白かったです。
左から第一ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第二ヴァイオリンと並び、コントラバスが第一ヴァイオリンとチェロの後ろに、横一列に並んで配置されていました。
このため、ハープが右後ろに。
対抗配置バージョン2といったところでしょうか。

肝心な演奏ですが、相当にレベルが高く、これまでに聴いたブル8の中でも最高の出来といっても過言ではない、すばらしい内容でした。
まずは基本中の基本、オーケストラの性能の高さが印象的でした。
それぞれの奏者が、当たり前に上手すぎます。
楽曲はブロムシュテットにより隅々まで統制されていて、調和の取れたバランスの良いハーモニーを思う存分に楽しみました。
その指揮ぶりから、フレーズ毎にかなりテンポやリズムを制御しているように見受けられましたが、オケが機能的にきっちり合わせていました。
このプログラムは、2週間前にチェコのコンサートで披露したばかりとあって、かなりそこでブロムシュテットに鍛えられたのだと思います。
チケットはそれなりにしましたが、数ある欧米のオケと比べればコスパはかなり高いのではないでしょうか。
幸せなひとときでした。

そのチェコ・フィルは、この9月からエリアフ・インバルを首席指揮者に招いたとのこと。
なんとまぁ、そのインバルは我らが都響のプリンシパル・コンダクターでもあり日本でもかなりおなじみ。
しかも明日は、その組み合わせでブルックナー第5番のコンサートが開かれます。
一方のブロムシュテットは、N響の名誉指揮者でもあり、来年の4月にはN響でブルックナー第5番を振る予定です。
 

ブルックナー / 交響曲 第5番 変ロ長調(ノヴァーク版)
指揮:ヴェルナー・アンドレアス・アルベルト
東京オペラシティコンサートホール

指揮のアルベルトは、ドイツ人でドイツ各地の放送響やオーストラリアで活躍している指揮者。
日本では、新日本フィルが2006年に呼んで初来日、東京シティ・フィルとは2007年に続いて2度目の指揮台。
ナクソスにいくつかの録音を残していて、堅実にキャリアを築いてきたことが窺える。

東京シティ・フィルは、これまで機会が無く初めて聴くオーケストラ。
在京プロオケだけで8つもあるが、唯一コンサートを聴いたことがなかった。
題名のない音楽会では良く目にすることが出来るようだ。

客席は、だいたい半分程度の埋まり具合。
演奏の方は、結構キズの目立った内容だった。
奏者それぞれの技術レベルとかセンス、それらが集合したオーケストラとしての技術力や統制力、聴きながらいろんなことを考えてしまった。
普段、欧米の有名オケの録音を聴いていて当たり前だと捉えていたようなひとつひとつが、人並み外れたレベルの能力の上でに成り立っていることを改めて認識した。
このオーケストラは、もっと互いの音を聴き合うことをしたほうがいいのではないか。
あと、オーケストラの音色がブルックナー的ではないかもしれない。

男声合唱団

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職場の同僚が活動している男声合唱団の定期演奏会のチケットを買わされたので、があるというので、トッパンホールに聴きに行ってきた。
数年前に府中の森で開かれたときも行ったことがあり、今回が2度目。
初めて聴いたときには、その歌声と迫力には感動したものだ。

例えるのは難しいけど、ゴスペラーズをクラシカルかつトラディッショナルにしたような。
ゴスペラーズよりももっと人間が楽器になったような。
加えて、マイクとスピーカーを通さないので、その肉声の生々しさ、やさしさに耳が癒される。

男声合唱なんて聴いたことのない人がほとんどだと思うけど、機会があれば聴いてみるといいと思う。
ヒーリング効果抜群ですよ。
 

指揮:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
ピアノ:アンドレ・ワッツ

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
ブルックナー:交響曲第9番


池袋は久しぶり。
芸劇は、なぜか余り評判が良くないけど、なぜなんだろう。
アクセスというか、あのエスカレーターはないだろうとは思うけど(災害が起きたら生き延びられない)、ホールの音響とかが特に悪いとは思えない(オーチャードホールとかNHKホールとか、ひどいところはたくさんある)。
今回の座席は3階だったにも関わらず、ちょうど真ん中にあたる位置だったこともあり、バランスの良い音を聴くことができたと思う。

ミスターSことスクロヴェチェフスキと読売日響の組み合わせを聴くのは、昨年4月のブルックナー交響曲5番以来。
そのときも触れているが、来月には86歳になる指揮のスクロヴァチェフスキは、全く年齢を感じさせないしっかりとした指揮ぶりで本当にすばらしい。

オーケストラもその指揮に応えるかのような、すばらしい演奏だったと思う。
読売日響は、ほんとうに上手いオーケストラだと思った。

ピアノ協奏曲は、この連休にCDで一度予習をしただけなので、正直面白さはよくわからなかった。
ベートーヴェンは天才だな、と。当たり前の話だけど、それだけは確信できた。

ブルックナーは、ライブならではの緊張感(第2楽章の冒頭、ヴァイオリンとビオラ、チェロのピチカートの掛け合いでリズムが崩れかかったりとか)を感じつつ、それぞれの楽器が良く分離して聞こえるので、CDでは気づかない色々な発見があった。
それだけでも、今日は聴きに来た甲斐があったというものだ。

スクロヴァチェフスキは、ブルックナー指揮者として有名で、ザールブリュッケン放送響との間で、ブルックナーの全集を完成させている。
5,7,8,9番あたりは、自分も所有しており、時折聴いている愛聴版だ。
9番については、ミネソタ管でもCDを出していて、こちらは音質の良さで定評のあるリファレンスレーベルから。こちらも所有している。
両者に大きな解釈の違いはなく、それは今日の演奏にも通じて言えることだろう。

会場では、来年3/25に予定している特別演奏会(スクロヴァチェフスキ指揮、ブルックナー交響曲第8番)のチケットを販売していた。
3/26に予定されているサントリーホールでの定期演奏会に加えて、急遽開催が追加されたもののようだ(想像ですけどね)。
実はこの3/25、上野の東京文化会館で都響がインバル指揮でブルックナー交響曲第8番の定期演奏会を予定している。
同日に同じプログラムをぶつけてくる、読売日響。
インバルvsスクロヴァチェフスキ。
どちらもブルックナー指揮者としては、一家言を持っている。
聴衆はどちらを選択するのか、なかなか面白い展開と言えそうだ。

日本フィル/第613回東京定期演奏会
サントリーホール

指揮:ピエタリ・インキネン[日本フィル首席客演指揮者]
ヴァイオリン:樫本大進

ショスタコーヴィチ/祝典序曲
シベリウス/ヴァイオリン協奏曲
ショスタコーヴィチ/交響曲第5番


しばらくは聴く気がしなかったクラシック。
数週間前から聴きたい病が発症、先週末にチケットを押さえて聴いてきました。
(CD買いまくりの物欲病も発症中...)

指揮者のピエタリ・インキネンは、若干29歳にして首席客演指揮者に就任したフィンランド生まれの俊英。
ぱっと見イケメンぽく、新日本フィル/アルミンクのマーケティング戦略のパクリでしょうか。。
就任披露演奏会として、母国が誇る作曲家、シベリウスの作品をフィーチャーしています。

そのヴァイオリン協奏曲のソリストを務める樫本大進は、先日ベルリン・フィルのコンサートマスターに内定して話題となりました。
客席の多くは樫本大進狙いでしょうか、1階席はほぼ満席。
2階席はステージ裏側の席を含めても8割方は埋まっている様子でした。

ボクの狙いは、どちらかというとショスタコの2曲。
ブラバン上がりには、どちらも馴染みの深い作品ではないでしょうか。
祝典序曲は、たぶん吹奏楽をやっていた人なら一度は演奏したことがあるはず。
交響曲5番は、金管楽器を吹いてきた人なら、まず間違いなく4楽章に萌えるはず。

で、実際の演奏ですが、極上とまではいかずとも、十分に満足できる出来栄えだったかと思います。
樫本大進のヴァイオリンは初めて聴きましたが、この音色とテクニックが世界標準なのですね。
太く深く音量のある音色、聞き惚れるものがありました。

インキネンの指揮は、全体を通じてものすごく手堅い印象です。
楽譜に忠実に演奏しているような、そんな感じがしました。
日本フィルの音を聴いていると、機動力を感じさせます。
金管は、ある意味N響よりも安定感があるというか、安心して聴いていられます(祝典序曲の初っぱなとかね)。
とはいえ、5番の4楽章は、金管にとってはかなりスタミナが必要なところ。
最後の最後は、トランペットがかなり辛そうでしたが、がんばれ、ここは踏ん張れ~って、つい心の中で応援していました。笑

まぁ、そういう楽しみ方もアリということで。

第1644回定期公演 Cプログラム

チャイコフスキー / ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
R. シュトラウス / アルプス交響曲 作品64
指揮|エド・デ・ワールト
ヴァイオリン|ジャニーヌ・ヤンセン


ヴァイオリン協奏曲

ジャニーヌ・ヤンセンは、初めて聴きましたが、弱音をとても大事にする演奏をする人だと思いました。
いやしかし、ソリストによって、こんなに雰囲気が変わってしまうものなのですね。
とても感情豊かな表現をされていて、こぶしの回らない演歌を聴いているような印象を持ちました。


アルプス交響曲

アルプスを舞台に作曲者が過ごした1日、大自然を音楽で表現した作品。
あまり聴き込んでいる作品ではなかったので、事前に予習。
プレヴィン/ウィーンフィルのCDを何度か聴いてみたのですが、こんな大曲をN響が水準以上の演奏をこなせるのか?と思ったものです。

実際にステージを眺めると、ものすごい大編成。
音響効果的に取り入られている、嵐のシーンを表現するためのウインドマシーンとか。
加えてバンダ(ステージ裏)にも10人以上が配置されていてます。

結果は、おおむね満足。
飽きずに最後まで、楽しめました。
なかなか面白い作品ですね。
強いて苦言を呈するならば、トランペットが相当不安定だったのでは?
あと、アインザッツは神経質になって、揃えてほしい。
聴いていて、相当気持ち悪いです。

一方で、木管楽器群が光っていたと思います。

一つ前の定期で、指揮のエド・デ・ワールトが、好演しているらしい評判を聞きつけ、今回急遽聴きに行くことにしたわけですが、演奏もさることながら、噂通りN響の団員からものすごい絶賛ぷりでした。
古き良き時代のN響の音を、久々にオケから引き出したとのことです。

東京オペラシティシリーズ 第48回 
指揮:ユベール・スダーン
武満徹:弦楽のためのレクイエム
ブルックナー:交響曲 第7番 ホ長調 WAB107

結論からいうと、ユベール・スダーンが指揮するブルックナーは、大変すばらしい内容でした。
統制がとれたアンサンブルが、特に印象的でした。
楽曲の解釈は、テンポ設定など極めてオーソドックスだったと思いますが、それがまた好印象。
東京交響楽団は、初めて聴いたのですが、弦楽セクションのみならず、管楽セクションの出来の素晴らしさは、在京オケでナンバーワンと言ってしまっても過言じゃないかも。
中でもホルンの安定感は、抜群のものがありました。

スダーンのブルックナー、良いものを聴かせていただいた、感謝の気持ちで一杯です。
この組み合わせで、5番や8番も聴いてみたい。


東京交響楽団
http://www.tokyosymphony.com/


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